2011年特集

メジロ牧場ファイナルレース・レポートメジロダイボサツ、デビュー戦レポート新馬レポート2010メジロパーマー新潟競馬場レポートメジロ繁殖レポート
ホーム > 2011年特集 > そして、レイクヴィラファームを訪ねて

そして、レイクヴィラファームを訪ねて

 2011年7月31日に函館競馬場でメジロライアンのお披露目があった翌日、そのメジロライアンが繋養されているレクヴィラファームにお伺いしました。メジロ牧場の解散以降、メジロライアン、メジロパーマーなどの功労馬たちは、メジロ牧場の一部事業を引き継いだレイクヴィラファームに繋養されています。現在のメジロライアンとメジロパーマーの様子、そしてレイクヴィラファームの様子をご紹介したいと思います。

大役を終えた翌日、いつものように放牧されているメジロライアン

 メジロライアンは、厩舎脇の広い放牧地を与えられて、伸び伸びと過ごしていました。ただ、これは1、2歳馬たちが別の牧場に移動して、馬の数が一気に減ってしまったためで、これだけ広く使えるのは今だけだそうです。
 しばらく見学させてもらいましたが、広い放牧地のせいか、なかなかライアンが近くには寄ってくれませんでした。近くで見たいというファンには少し残念かもしれませんが、広い放牧場にたたずむライアンというのも、なかなか良いものでした。
 前日は函館競馬場で元気な姿を見せてくれたライアンでしたが、競馬場で少し気を張っていたのでしょうか、牧場でゆったりしているライアンを見ると、やっぱり年をとっているんだなということを実感しました。ファンのためにも長生きをして欲しいものです。

 もう一頭の人気馬メジロパーマーは、少し奥まった放牧地に放牧されていました。こちらも1頭には十分過ぎる広さです。ただ、パーマーは牝馬が見えると、かなり興奮して、鳴いたり、柵の近くを何度も何度も動き回るそうです。そのため、事故を防止する意味でも、藪で牝馬たちが見えない、この奥まった放牧地に放牧されているそうです。ただ、その藪のせいで周りにアブが多く、パーマーはかなりのアブにたかられているそうで、最近ではパーマーはアブを気にせず、自由に血を吸わせていることもあるそうです。
 見学していたときも、パーマーにアブがたかっていましたが、パーマーなりに頑張って振り払っている様子が伺えました。加えて、柵沿いは土が見えていて、柵沿いを行ったり来たりする行動は、牝馬が見えなくても続いているようでした。

いつものように元気な姿を見せてくれたメジロパーマー

 レイクヴィラファームでは、敷地の整備が進められていて、そのひとつとしてメジロライアンとメジロパーマーの放牧地も、ファンのみなさんが見学しやすいように改修していくそうです。予定では、メジロパーマーが今いる放牧地に、メジロライアンとメジロパーマーそれぞれの放牧地を作るそうです。
 牧場は変わってしまいましたが、功労馬たちは、これまでと同じようにその余生を生まれ故郷で過ごしていけるようです。
 新しい放牧地にたたずむ2頭の姿を見るのが、今から非常に楽しみです。

 2頭の功労馬の放牧地から離れた場所には、メジロの名馬たちのお墓があります。
 これまでお墓のなかった功労馬のメジロデュレンとメジロティターンのお墓が、メジロマックイーンのお墓の側に作られていました。これはメジロ牧場が解散されるにあたり、これまでずっと応援してくれたファンのためにと作られたものだそうです。
 ティターン、デュレンのお墓は他のお墓と同じデザインで、メジロの頭文字であるMがかたどられ、それぞれの毛色をモチーフにした石が使われています。
 メジロの馬たちが眠るこの場所は、これからもずっとレイクヴィラファームで守っていくそうです。これからも多くのファンがメジロの名馬たちを偲んで訪れることと思います。

マックイーンの脇にティターン、その奥にはデュレンのお墓が

  レイクヴィラファームは、みなさんご存じのようにメジロ牧場の繁殖牝馬などの生産部門の事業を引き継いだため、これまで多くのメジロの馬たちを育ててきた調教コースは取り壊されて、放牧地にするための工事が進められていました。自分としては少し寂しい感じがしましたが、新しい牧場を作っていくためには、一番最初にやらなければならないことなのかもしれません。
 また、放牧地の改修も行っていて、昨年伺ったときよりも1つの放牧地が倍以上の広さになっていました。これはノーザンファームの協力と指導を受けて、生産馬の管理の方法などを見直しているためで、放牧地を広げることもその一つだそうです。この日も多くの重機による工事が進められており、放牧地の改修が急ピッチで進められていました。メジロ牧場が解散してからまだ3か月しか経っていませんが、お伺いした限り、牧場がかなりのスピードで変わっていることを実感しました。



 メジロ通信では、何年かにわたって若い人たちによるメジロ牧場の改革をお伝えしてきました。でも、それが大きな結果として出ることなく、メジロ牧場は解散してしまいました。今回、レイクヴィラファームを訪ねてみて、メジロ牧場が自らの力で改革していくには、競馬界全体の流れが速すぎたのではないかと、この変化のスピードを見て改めて思いました。今思えば、メジロの馬たちが競馬界の流れに乗るためには、牧場を解散するほどの大改革が必要だったのかもしれません。
 ただ、それまでやってきたことが無駄だったとは決して思いませんし、むしろ、その真価を問われるのは、自分も含めて、これからだと思っています。
 ですから、メジロ牧場の解散が決まった時に自分が思ったことは、きっちりとした結果を出すまでは、まだまだメジロ通信を続けてやろうでした。いつまでできるかはわかりませんが、細々でもしばらくは続けていこうと思っています。


 今年の生産馬はメジロ牧場であるため、レイクヴィラファームの生産馬は、来年誕生する産駒からとなり、競馬場デビューは早くても3年後の夏となります。3年待つのではなく、その間も進み続けるレイクヴィラファームを追い続けたいと思います。(メジロ通信管理人)

メジロライアン1メジロライアン2メジロライアン3メジロライアン4メジロパーマー1メジロパーマー2メジロパーマー3メジロパーマー4放牧される母馬と仔馬たち広くなった放牧地牧場の一角にある功労馬たちのお墓メジロティターンのお墓メジロデュレンのお墓

 ※レイクヴィラファームの見学については、「競走馬のふるさと案内所」でご確認ください。

カウンタ