メジロサンノウ
快速馬メジロダーリングに、種牡馬として頭角を現してきたキングカメハメハが配合されて産まれた期待の一頭。スプリント色の強かったこれまでの産駒に比べて、マイルから2000Mにも十分適応できそうな配合で、クラシックにも繋がる。
出遅れたもののスピード感があり楽しみ
市川厩舎長によると、右後脚の種子骨が中間育成の頃から良くなく、これは兄のローレンスにも見られた症状だったそうですが、今は症状も見られず問題ないそうです。ただ、その分調教は遅れており、本格的な乗り込みはこれからとのこと。走りが素軽くスピード感があり、体が競走馬らしくなってくれば楽しみな一頭だそうです。
5代血統表
父馬
キングカメハメハ
8戦7勝、最優秀3歳牡馬を受賞。タニノギムレットやクロフネでもできなかったNHKマイルC、ダービーのいわゆる変則二冠を、いずれもレコード勝ちで成し遂げた。神戸新聞杯を勝ったあと、天皇賞(秋)に出走を表明したが、屈腱炎を発症し、そのまま引退となった。2005年から種牡馬として供用されると、初年度産駒であるフィフスペトルが最初の2歳重賞である函館2歳Sを勝ち、重賞初勝利を飾ると、そのまま2歳リーディングを獲得した。2009年もアパパネ、ローズキングダムが両2歳G1を勝つなどして、2年連続での2歳リーディングを獲得する活躍を見せている。2009年JRAリーディングサイヤー第8位(2009年JRA2歳リーディングサイヤー第1位)。
仕上がりの早い産駒を送り出して、最初の重賞である函館2歳Sを勝つなど顕著な例を見せてくれた。クラシックでは、初年度こそ2歳戦ほどの活躍は見せられなかったが、2年目である3歳世代からはアパパネが桜花賞、オークスを制するなど多くの産駒がクラシックを賑わしている。まだ2世代だけということで難しいところもあるが、仕上がりが早く、父同様の瞬発力のある産駒が多い気がします。メジロでは本世代が初めての産駒となります。
母馬
メジロダーリング
32戦8勝、函館スプリントS、アイビスサマーダッシュと重賞2勝し、スプリンターズSでもトロットスターの2着と好走した。香港スプリントにも遠征し、メジロとしては久々の海外遠征も行った。2003年から繁殖入りすると、初年度のメジロアダーラが母が重賞を勝った新潟直線1000Mの新馬戦で勝ち上がるなど、母同様のスピードある走りをみせてくれたが、それ以降は期待に応えるような産駒はまだ出ていません。
初年度のアダーラこそさすがダーリングの仔という走りをみせてくれたが、そのあとは目立った産駒が出ていません。産駒にアダーラも含めて少し一本調子の傾向が出ていましたが、ライアン産駒のカトリーヌはそうとも言い切れず違ったところも見せてきています。キングカメハメハ、ディープインパクトと配合されるなど、目下メジロ牧場の看板繁殖牝馬であることは間違いありません。本馬は父キングカメハメハと、松山主任もおっしゃっていたようにダーリングの繁殖としての能力を計る一頭となりそう。
兄弟姉妹
No. | 生年 | 写真 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 成績 | 所属厩舎 |
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1 | 2004年 | メジロアダーラ Mejiro Adhara | 牝 | 鹿毛 | フレンチデピュティUSA 〔ヴァイスリージェント系〕 | 9戦2勝、母譲りのスピードでスプリント戦を2勝。繁殖入り。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
2 | 2005年 | メジロアリエル Mejiro Ariel | 牝 | 鹿毛 | サクラバクシンオー 〔テスコボーイ系〕 | 12戦1勝、現役。逃げの一手も近走は先手が取れず休養中。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
3 | 2006年 | メジロローレンス Mejiro Lawrence | 牡 | 黒鹿毛 | マイネルラヴUSA 〔ミスタープロスペクター系〕 | 8戦0勝。未勝利終了後は障害にも使われたが結果が出ず。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
4 | 2007年 | メジロカトリーヌ Mejiro Catherine | 牝 | 鹿毛 | メジロライアン 〔ノーザンテースト系〕 | 8戦0勝、現役。勝ち上がりまでもう少し。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
5 | 2008年 | メジロサンノウ Mejiro Sanno | 牡 | 黒鹿毛 | キングカメハメハ 〔ミスタープロスペクター系〕 | 本馬。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
6 | 2009年 | 牡 | 鹿毛 | ディープインパクト 〔サンデーサイレンス系〕 |
大久保洋吉厩舎(美浦)
メジロの関東主戦厩舎。メジロドーベル、メジロダーリング、メジロファラオなど数多くのメジロの重賞勝ち馬を管理する。使って馬を仕上げていくタイプの調教師で坂路主体の調教で結果を残してきている。メジロの2歳馬も最多の6頭を管理するが、一昨年あたりから成績が伸び悩んでいる。主戦は所属騎手の吉田豊騎手で、他に小野次郎騎手、中舘英二騎手、柴田善臣騎手、関西では藤田伸二騎手の起用が多い。
年 | 出走数 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 着外 | 勝率 | リーディング | メジロ成績 | メジロ勝率 |
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2009年 | 323 | 23 | 23 | 26 | 23 | 20 | 208 | .071 | 50位 | 3-6-1-3-2-46 | .049 |
2008年 | 316 | 21 | 23 | 23 | 17 | 16 | 217 | .066 | 57位 | 5-2-3-1-2-30 | .116 |
2007年 | 319 | 32 | 26 | 22 | 21 | 26 | 192 | .100 | 15位 | 7-4-6-4-6-28 | .127 |
2006年 | 345 | 34 | 37 | 37 | 32 | 36 | 169 | .099 | 15位 | 8-7-5-6-7-39 | .111 |
2005年 | 259 | 29 | 31 | 25 | 17 | 18 | 139 | .112 | 20位 | 10-9-6-3-4-34 | .151 |
馬名の由来
栃木県の山、山王帽子山(サンノウボウシヤマ)より。日光連山の中でも日光表連山と言われる山々の一つ。