メジロダイボサツ
GI5勝のメジロドーベルにとって念願の牡馬で、父は現役時代に圧倒的な走りをみせたディープインパクト。これまでの姉たちとは違って、気性が落ち着いており、雰囲気からも大物感が漂う。
順調に進めば秋には入厩予定
市川厩舎長によると、中間育成の頃は体が小さかったけれど、時期が経つにつれていい動きを見せるようになり、乗り始めてからは、柔らかさに加え、スピードや瞬発力のある走りを見せているそうです。ただ、乗り始めたのが今年の1月からなので、調教が進んでるグループではないそうです。順調に行ければ夏前にはある程度の状態になるのでは思っているそうですが、無理をして使う馬ではないので、入厩は秋くらいを考えているそうです。
5代血統表
父馬
ディープインパクト
14戦12勝、2005年、2006年年度代表馬、最優秀3歳牡馬、最優秀4歳以上牡馬を受賞。皐月賞、ダービー、と菊花賞と制し、史上2頭目の無敗の三冠馬となる。その後も天皇賞(春)、宝塚記念、ジャパンC、有馬記念を勝ち、七冠を達成した。引退後は51億円のシンジケートが組まれ、2007年から種牡馬として供用されている。本馬を含む2008年生れが初年度産駒となる。
高額なシンジケートが組まれたことによって、ディープインパクトの現役時代の成績に見劣らない牝馬が集まり、初年度から産駒の活躍が期待されます。サンデー系の種牡馬としては母系にスピード血統が不足しているような感じがするので、同じ母父がリファール系のバブルガムフェローと同じように瞬発力不足でダートで活躍する馬が出そうな気がしますが、ディープインパクト自身が小型で芝での瞬発力に長けていたことからもまた違った産駒を送り出すと思われます。
母馬
メジロドーベル
21戦12勝、1996年最優秀3歳牝馬、1997年最優秀4歳牝馬、1998年、1999年最優秀5歳以上牝馬を受賞。阪神3歳牝馬S、優秀牝馬(オークス)、秋華賞、エリザベス女王杯(2回)、オールカマー、府中牝馬S。2000年から繁殖牝馬となり、産駒に期待がかかったが、デビューも難しい状況が続き、4番仔であるメジロシャレード(父マンハッタンカフェ)でドーベル産駒として初勝利をあげた。本馬は6番仔。
ドーベルへの繁殖牝馬としての期待は大きかったが、ここまでは不運というか期待に応えるような結果は出していません。それでも、ドーベルの血を受け継ぐ後継牝馬を次々と増やしています。産駒の傾向としては、いずれの産駒もマイルくらいまでしか走ってないためハッキリしませんが、母ドーベルがマイルから2400までの距離適性を見せたように、折合いさえ問題なければ距離も問題ないと思います。これまでサンデー系の種牡馬で一応は結果を出しており、最高傑作と言われるディープインパクト産駒となれば、今からデビューが非常に楽しみです。
兄弟姉妹
No. | 生年 | 写真 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 成績 | 所属厩舎 |
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1 | 2001年 | メジロヒラリー Mejiro Hilary | 牝 | 鹿毛 | エルコンドルパサーUSA 〔ミスタープロスペクター系〕 | 不出走のまま繁殖。メジロカムバックの母。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
2 | 2002年 | メジロルルド Mejiro Lourdes | 牝 | 栃栗毛 | サンデーサイレンスUSA 〔サンデーサイレンス系〕 | 競走登録がないまま繁殖登録。メジロクリントンの母。 | 未登録 | |
3 | 2003年 | メジロアレグレット Mejiro Allegretto | 牝 | 鹿毛 | アグネスタキオン 〔サンデーサイレンス系〕 | 6戦0勝、6戦目まで一度も3着を外さなかったが、最後のレースで故障を発症させ、競走中止となる。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
2004年 | 不受胎 | クロフネUSA 〔ヴァイスリージェント系〕 | ||||||
2005年 | 不受胎 | シンボリクリスエスUSA 〔ロベルト系〕 | ||||||
4 | 2006年 | メジロシャレード Mejiro Charade | 牝 | 鹿毛 | マンハッタンカフェ 〔サンデーサイレンス系〕 | 2戦1勝、現役。初勝利後に馬房内で雷に驚き、腰を捻って運動できないくらいの重症に。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
5 | 2007年 | メジロオードリー Mejiro Audrey | 牝 | 鹿毛 | スペシャルウィーク 〔サンデーサイレンス系〕 | 3戦1勝、現役。デビュー戦を圧勝し、クラシックに期待がかかったが、骨折により休養へ。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
6 | 2008年 | メジロダイボサツ Mejiro Daibosatsu | 牡 | 鹿毛 | ディープインパクト 〔サンデーサイレンス系〕 | 本馬。 | 大久保洋吉 (美浦) | |
2009年 | 不受胎 | シンボリクリスエスUSA 〔ロベルト系〕 |
大久保洋吉厩舎(美浦)
メジロの関東主戦厩舎。メジロドーベル、メジロダーリング、メジロファラオなど数多くのメジロの重賞勝ち馬を管理する。使って馬を仕上げていくタイプの調教師で坂路主体の調教で結果を残してきている。メジロの2歳馬も最多の6頭を管理するが、一昨年あたりから成績が伸び悩んでいる。主戦は所属騎手の吉田豊騎手で、他に小野次郎騎手、中舘英二騎手、柴田善臣騎手、関西では藤田伸二騎手の起用が多い。
年 | 出走数 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 着外 | 勝率 | リーディング | メジロ成績 | メジロ勝率 |
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2009年 | 323 | 23 | 23 | 26 | 23 | 20 | 208 | .071 | 50位 | 3-6-1-3-2-46 | .049 |
2008年 | 316 | 21 | 23 | 23 | 17 | 16 | 217 | .066 | 57位 | 5-2-3-1-2-30 | .116 |
2007年 | 319 | 32 | 26 | 22 | 21 | 26 | 192 | .100 | 15位 | 7-4-6-4-6-28 | .127 |
2006年 | 345 | 34 | 37 | 37 | 32 | 36 | 169 | .099 | 15位 | 8-7-5-6-7-39 | .111 |
2005年 | 259 | 29 | 31 | 25 | 17 | 18 | 139 | .112 | 20位 | 10-9-6-3-4-34 | .151 |
馬名の由来
山梨県の山、日本百名山に選ばれている大菩薩嶺(ダイボサツレイ)より。四代母にはメジロボサツがおり、その名と血を受け継いでいる。1989年生まれのメジロポルシェの仔(メジロボサツの孫娘)にも同名馬がおり、本馬は二代目となる。