今年で種牡馬を引退することになったメジロライアンが函館競馬場でのお披露目を控えた前日、台風の影響で重馬場となったみなみ北海道Sを力強く逃げ切ったのがライアンの息子メジロコルセアでした。
昨年の3連勝のあとのコルセアはなかなか自分の競馬ができずに苦しみ、長距離ならと期待のかかった重賞のダイヤモンドSでは、左寛跛行で出走取消になってしまいました。昨年夏の勢いもなく、心身ともに疲れ果ててしまったコルセアはこれを機会に長期の休養に入ることになります。
北海道のメジロ牧場で立て直され、7月25日函館競馬場に入厩したコルセアは、8月4日のみなみ北海道Sを目指すことになりました。しかし、入厩して1週間での出走となれば、たとえ牧場で十分乗り込んでいるとはいえ、半年のブランクを克服することは難しく、少し時間がかかるだろうと思われていました。でも、コルセアは素晴らしい走りを見せてくれたのです。
もしかしたらレースの翌日の8月5日が父であるメジロライアンのお披露目が行われる特別な日であることをコルセアは知っていたのかもしれません。コルセアは休み明けの心配も吹き飛ばすような力強い走りで駆け抜け、後続に5馬身差をつける圧勝で勝利を飾ったのです。
(buliさんからご提供いただきました。)
偶然かもしれませんが、このようなことは他でもない、メジロだからこそ感じられる喜びだと思います。父ライアンの花道を飾る勝利をあげたコルセア。そして翌日に息子には負けないと言わんばかりのキャンターを見せてくれたライアン。メジロファンにとって、この2日間が素敵な真夏の出来事であったことは間違いないはずです。
その後、美浦に戻ったコルセアは重賞を目標に調整されていましたが、再び放牧に出されて立て直されることになりました。このあとコルセアの出走はなく、少し残念ではありましたが、来年への期待も込めまして、メジロ通信が推薦する1頭とさせていただきます。
今年の成績は4戦1勝で通算19戦5勝(12月2日現在)。前半は苦しいレースが続きましたが、この頑張りがあったからこそ、勝利があったのかもしれません。復帰戦は未定ですが、来年は今年以上の活躍は当然期待したいところです。専務へのインタビューでG2くらいがいいというお話でしたが、ぜひ来年の天皇賞に出走して欲しいものです。
日付 | 開催 | R | レース名 | 距離 | 着 | 頭 | 人 | 騎手 | タイム | 1着馬(2着馬) | 馬体重 |
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07.1.13 | 中山 | 10R | 迎春S1600 | 芝2500良 | 11 | 11 | 6 | 57吉田豊 | 2:35.7 | ネヴァブション | 488 |
07.1.28 | 京都 | 10R | 松籟S1600H | 芝2400良 | 9 | 9 | 6 | 55田中勝 | 2:28.5 | トウショウパワー | 480 |
07.2.11 | 東京 | 11R | ダイヤモンドS | 芝3400良 | 出走取消 | 51吉田豊 | トウカイトリック | ||||
6ヶ月休養(放牧) | |||||||||||
07.8.4 | 函館 | 11R | みなみ北海道SOPH | 芝2600重 | 1 | 13 | 10 | 52藤岡佑 | 2:48.6 | (ゴーウィズウィン) | 476 |
メジロコルセア
2002年3月24日生牡 鹿毛
父 メジロライアン
母 メジロビューティー(パーソロンIRE)
兄弟 メジロドーベル(全)、メジロキルデア
馬主 メジロ商事(株)
調教師 大久保洋吉(美浦)
生産者 メジロ牧場(伊達)
通算成績 19戦5勝 (12月2日現在)
総収得賞金 6690万円 (12月2日現在)