12月、六甲アイランドSに出走したメジロシリングは好位で順調にレースを進めていたものの、勝負所で外から被されると手応えが怪しくなり、直線なんとか粘りこんだものの10着に敗れました。この11月に長期休養から復帰して3戦目となるこのレースでもシリングは本来の走りを見せることができませんでした。そしてキッカケもつかめないままシリングは一年の走りを終えようとしています。

　今年は例年よりも初勝利を上げたのが遅い年でした。期待されたアルタイスやソリアノもあと一歩届かず、結局１月に１勝もあげられないまま、初勝利は２月に持ち越されることになりました。そして、その悪い雰囲気を打ち破ってくれたのが、このメジロシリングでした。

　シリングは２歳の暮れに新馬勝ちをおめ、年明けのシンザン記念へ挑戦するなど早くから活躍し、昨年秋に2勝目を上げると昇級戦でも3着と上り調子で、2月4日、2007年の初戦を迎えました。
　2番人気に支持されていたシリングは直線で1番人気の馬と叩き合いとなり、いったんかわされてしまったものの、差し返しアタマひとつ抜け出してゴール。今年の初勝利こそ同日に勝ったラルゴに譲ったものの、着差以上の強い内容で悪い流れを断ち切ってくれました。

　そして3月18日の準オープンのトリトンSでは昇級戦にもかかわらず1番人気に支持され、シリングはみごとその期待に応えて快勝し、２連勝でみごとオープン入りを果たしました。シリングはその後、福島民報杯に駒を進めましたが、いいところなく12着に敗れてしまい、その後も順調さを欠いて11月まで休養となってしまいました。

　シリングはこの2勝により平地での稼ぎ頭で、活躍は文句ないと言えます。さらに加えれば、シリングの勝ち星をあげた時期がその価値を非常に高めました。シリングが2連勝した春シーズンは3歳が全く勝てず、年明けから5ヶ月がたって5勝のみ。そのうち2勝がシリングでしたから、もしシリングがいなかったら、かなり厳しい戦いを強いられていたかもしれません。このような意味からも文句なく、メジロ通信が推薦する１頭とさせていただきます。

　今年の成績は6戦2勝で、通算18戦4勝（12月16日時点）。秋から1600万円以下条件で苦戦しているものの、既に勝っているクラス。成長力もあり、来年も楽しみな一頭です。輸入繁殖牝馬の母ヴェネジアはシリングが勝つまでは、一頭も勝てず苦しい状況にありましたが、シリングの活躍はここでも窮地を救ったといえます。半妹のドリゼラも初勝利が近く、今後の活躍が楽しみな母系です。

メジロシリング

2003年4月17日生
牡　栗毛
父　ロドリゴデトリアーノUSA
母　ヴェネジアUSA（Riverman）
兄弟　メジロケイン、メジロドリゼラ

馬主　（有）メジロ牧場
調教師　北出成人（栗東）
生産者　メジロ牧場（洞爺）
通算成績　18戦4勝 （12月16日現在）
総収得賞金　5653万円 （12月16日現在）